時間帯別相場の動き

ハイローに限らず、FXなどの為替取引をやるうえでも、頭に入れておくと役に立つのが時間帯による為替の動きである。「為替は時間帯によって動き方が違う」ということを、耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。ハイローをやるうえではトレンドを判断することが重要だが、こういったトレンドが変わる可能性がある時間を知っておくことで、有利に取引をできることがある。

 

為替(ドル円目線)に関する重要な時間の一覧

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 基本的に為替に限らず相場は、買いたいと思う人が多ければ上がり、売りたいと思う人が多ければ下がっていく。そのため、市場参加者が変わると買いたいと思う人と売りたいと思う人のバランスが崩れ、大きく動きだすことがある

 また、大きな節目のイベントがあるときは、その節目に向かって上がるだろうと予想する人と下がるだろうと予想する人が仕掛けてが交錯し相場の動きが激しくなるのだ。こういったトレンドが発生しやすい時間帯には安易な逆張りは危険なので注意して欲しい。

 こういったトレンドが発生したかどうかを見極める際に、どういう時間帯なのかを知っておくと便利である。それでは、節目の時間帯を下にまとめて。(重要度はドル円目線です。)

時間 重要度 内容 説明
9:00 ★★★ 東京株式市場前場
オープン
日本の株式市場が始まる時間。この時間から株式の売買が始まり、それに伴う為替取引も活発になる。そのため、9時以降のしばらくは上下に激しく動くことが多くなる。
9:55 ★★★ 仲値公示 この時間に当日の為替取引のレートが決まる。そのため、この時間に実需筋の注文(輸入に関連したドル買いが多い)が活発になる。また、この時間を過ぎるとそれまでの動きの反動が起きることがある。
10:30 上海株式市場
オープン
中国の株式市場の動き。普段はあまり気にすることはないが、中国発の経済リスクが意識される場合など、株式市場が大きく下げるきっかけになることがある。
11:30 ★★ 東京株式市場前場
クローズ
日本の株式市場の午前の取引が終わる時間。午前の取引を手仕舞いを注文が集中し、為替レートも引っ張られて動くことがある。
12:30 ★★ 東京株式市場後場
オープン
日本の株式市場の午後の取引が始まる時間。この時間からは外国人投資家の参加も多くなり、新しいトレンドが生まれることがある。
15:00 ★★ 東京株式市場後場
クローズ
日本の株式市場が終わる時間。取引を手仕舞いする注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。
16:00
(夏時間)
17:00
(冬時間)
★★★ 欧州株式市場
オープン
ドイツフランス為替市場オープン
ヨーロッパの株式市場が始まる時間。また、ドイツ・フランスの為替市場も開くため取引参加者が増え大きく動き出すことがある。
16:30 ★★ 東京先物市場ナイトセッションオープン 日本の先物取引の夜間立会が始まる時間。先物にからむ注文が集中するため為替が引っ張られて動くことがある。また、先物に仕掛け的な動きが生じた場合、為替も一方方向に動き出すことがある。
17:00
(夏時間)
18:00
(冬時間)
★★ ロンドン為替市場
オープン
ロンドンの為替市場が開くため取引参加者が増え大きく動き出すことがある。
22:30
(夏時間)
23:30
(冬時間)
★★★ ニューヨーク株式
市場オープン
アメリカの株式市場が始まる時間。それに伴う為替取引も活発になる。特に、ドル主導で相場が動き出す時間帯である。
23:00
(夏時間)
24:00
(冬時間)
★★★ ニューヨーク為替
市場オープン
ニューヨークカット
通貨オプションの執行価額が決まる時間。オプションの設定価額における主に投機筋の取引が活発となり、レートが激しく動く。時間を過ぎるとそれまでの取引の反動が出ることがある。
24:00
(夏時間)
25:00
(冬時間)
★★★ ロンドン
フィキシング
金などの現物取引が盛んなロンドン市場で金のスポット価格が決められる時間。この価格は市場で重要な指標とされるため、この時間を目指して取引が活発となる傾向がある。その影響もあり、特にドルを中心に為替相場が動くことがある。
24:30
(夏時間)
25:30
(冬時間)
ヨーロッパ株式市場クローズ ヨーロッパの株式市場が終わる時間。取引の手仕舞い注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。
27:00 東京先物市場ナイトセッションクローズ 日本の先物取引の夜間立会いが終わる時間。先物にからむ手仕舞い注文が集中するため為替が引っ張られて動くことがある。
29:00
(夏時間)
30:00
(冬時間)
★★ ニューヨーク株式
市場クローズ
アメリカの株式市場が終わる時間。取引の手仕舞い注文が集中し、為替レートもそれに引っ張られて動くことがある。

アメリカ・ヨーロッパでは夏時間には1時間時計を進め、冬時間は1時間時計を戻す。そのため、日本時間で見たときに夏時間のときと冬時間のときでは1時間ずれてくる。冬時間から夏時間への移行は3月中旬頃、夏時間から冬時間への移行は11月上旬頃に行われる。


経済指標の発表でも大きく動く

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 ハイローをやる上で規則的な動きをしているときは予想がしやすいが、突発的な動きを予想するのは難しくなる。前述の時間帯も、規則的な動きの流れが変わりやすい節目として説明した。

 これ以外にも突発的な動きをするものがあり、それが経済指標の発表である。大きな指標であれば、その発表に向かって市場全体が大きなトレンドを作っていることもあるため、それを欠かすことはできない。

 経済指標は色々なものがあるので、この記事内で網羅することはできないが、以下のサイトなどでどのような経済指標が発表される予定なのかを事前に確認することができる。まずは重要度の高い指標をおさえて、それにともなう相場の動きのクセを見極めるようにしていくと良いだろう。

jp.investing.com

 

活発に動くときはハイローは避けるべきか

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 結論から言うと活発に動く時間帯でも取引は可能である。逆によく動く分、レートが極端に偏りやすいためエントリーはしやすいかもしれない。

 ただ、逆張りメインでエントリーする人はこの時間帯に連敗したのであれば、注意したほうが良いだろう。連敗の原因がトレンドの発生である可能性があり、そのままエントリーし続ければさらに連敗が重なることがあるため。

 慣れてくれば、これらの節目をうまく利用できるようになってくるはずだ。意識しながらレートを見ていると思わぬ発見があるかもしれない。

 ちなみに、ハイローオーストラリアをやるのであれば、活発に動く時間帯はスプレッドハイローをやるべきである。スプレッドハイローは通常1.8のペイアウト率が2.0になる取引だ。

 その代わりに、エントリー値と判定値に値幅(スプレッド)が用意されている。しかし、相場が活発にうごく時はスプレッドはあまり影響してこない。スプレッドハイローは時間帯によってはとてもお得な取引であるため、ぜひチェックしてみて欲しい。